Google Analytics Premiumについてのまとめ

2011年09月30日 05:26

昨日のメニュー改善アナウンスに続き、今朝はGAの大きなニュースが2つ。リアルタイムレポート機能についてと、有料版GAの「Googleアナリティクス Premium」リリースのお知らせでした。日本が寝ている間にTwitterや各種GACPパートナーからの情報を集めてまとめておきました。

有料版提供の背景

サポートや動作保証がない、大量データを保持・処理できない、という理由で大企業では導入しにくかった状況に対応すべく、以下の4点を改善していくつかの企業とベータテストを続けてきたそうです。

  • Extra processing power
  • Advanced analysis
  • Service and support
  • Guarantees

公式ブログのお知らせにはあまり情報が無いのですが、GACPパートナーのCardinal Path社が、続いてLunaMetricsやSearch Engine Landがより詳しい情報を公開しました。

Google Analytics Premiumの特徴

1. 大量データへの対応強化

  • 月間10億ヒットのデータを収集できるようになる(無料版は1000万)
    ヒット(コール数)はGAサーバーへリクエストを投げる回数なので、PVに加えてカスタムイベント変数の計測も含まれます。複数のサイトに分かれている場合は、合計ヒット数になります。
  • 1日に100万件を記録できるようになる(無料版は5万件)
    こちらはヒット数ではなく、レポートの表に記録されるディメンションの行数のことですね。
  • 100万件のデータをエクスポートできるようになる(無料版は500件)
    CSVやExcelでデータをエクスポートする際のデータの行数が増えます。
  • サンプリング率を改善
    無料版では、レポート対象の訪問(セッション)数が50万を超えるとサンプリングが開始されますが、GA Premiumでは5,000万訪問までサンプリング無しで処理できるようになります。
  • カスタム変数が5つから50へ
    50個に増えたので、SiteCatalystの150個に近づきました。最近のga.jsは一部のデータをPOSTで送信するようになっているそうですが、このための準備だったのでしょう。ただし、これまで通りカスタム変数の値をCookieで保持するのなら、Cookieのサイズが増えないかどうかが要注意です。
  • 処理速度向上
    公式には「4時間以内」がSLAで保証されます。実際の速度はデータ量にもよると思われます。

2. 分析機能の強化

  • アトリビューション機能の強化
    無料版についているマルチチャンネルの機能よりも高度な機能が使えるそうです(詳細は不明)。

3. サポートの強化

  • 実装や設定のサポートとトレーニング
    GACPパートナーからGoogle Analytics Premiumを購入すると、GACPパートナーが実装や設定のサポートとトレーニングサービスを提供してくれるそうです。電話またはメールによる問い合わせは1日に10時間まで(営業日のみ)、トレーニングはWebベース(webinar)とのこと。

4.品質保証

  • サービス品質保証制度(SLA)有り
    データ収集は99.9%、レポーティング機能の稼働は99%、データ処理速度は98%(つまり遅延は4時間以内)というSLAが適用されるようになりました。
    保証した内容を守れなかった場合は返金する条件もあります。

金額

気になる金額ですが、地域によって異なり、USの場合は月間10億コールまでなら年間15万ドル(約1,200万円)だそうです。日本での価格は不明ですが、中小企業には払えない価格体系ですね...。無料版からGoogle Analytics Premiumにアップグレードするというよりは、他の有料ソリューションからの乗り換えを想定しているのではないでしょうか。

注意点

販売開始したのは米国とカナダ、英国のみです。日本でのサービス開始時期や価格設定については不明です。

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